2012/05/02

ニワトリの心臓の解剖

生物2の授業で,生物1の積み残し部分として,「内部環境の恒常性」という単元を
年度初めから入っているのですが,循環系の部分で心臓の作りを理解してもらうことを目的にして
ニワトリの心臓の解剖実習を行いました。

心臓の解剖実習と言えば,ブタの心臓だと人の心臓と作りがほぼ同じだったり,
大きさ的にも解剖・観察しやすいというメリットがありますが,購入するとなると,
事前に専門業者や肉屋さんにお願いしておく必要があるという点で,すこし面倒です。
一方で,ニワトリの心臓は,ハートとしてスーパーで普通に販売されています。
また,豚の心臓の場合は心房・心室のどこかに検査用の切り込みが入ってしまっていますが,
ニワトリのハートでは入っていません。
価格も個数に対して安価なので,生徒ひとり一つを用意しやすいという利点があります。


ニワトリの心臓(ハツ)

上の写真は,腹側から心臓を見た写真です。
スーパーで売られているハツには大動脈等の血管周りに脂肪がついていますが,写真のものは,
解剖ばさみとピンセットを用いて,脂肪部分を除去しています。


左右の心室を横断するようにして切開して,断面をスケッチさせた後,
左心室から左心房にかけてを体軸方向に平行にして,体の左方向に沿って解剖ばさみで
切開すると,僧帽弁がうまいこときれいに2分割されるようです(鋏を入れる角度によっては
微妙な場合も…)。
生徒のひとりがきれいに切ってくれたので写真に残しました(下図)。

左心室から左心房をのぞき上げ,僧帽弁が見えている状況
左心室側に僧帽弁の先端を押さえる筋があることや,僧帽弁が2枚になっていることが
よく分かります。




授業としては,選択授業の関係で2時間続きというのを利用し,
1コマ目に心臓の作りの概説と解剖鋏の使い方などの説明と,心臓上部の血管群から脂肪を
剥離する作業と心臓外形のスケッチ。
2コマ目に心室を横断して切った切面のスケッチと,左心室から左心房を見上げる形の
スケッチを行わせました。


僧帽弁がきれいに見える形で切開できたのは,少数でしたが,左心室が右心室に比べて
大きな筋肉で包まれていることは各自確認できたようです。
左右ほぼ対象なヒトの心臓を例として,心臓の構造の説明をしていたこともあり,
興味深げに観察およびスケッチを行ってくれたようです。



図解資料などが発達した昨今ですが,現物に触れる実習の時間を大切にすることの
重要性を改めて実感した2時間でした。



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