2013/12/31

2013年締めくくり

 年の瀬にはその一年を振り返るのが世間の習わしということで,
このblogでも,過去3年続いてきていることなので,今年も一年を振り返ってみましょう。

 2013年は,年の初めにこんな2つの目標を立てていました。

(1) 1冊書き物をする  (2012年より継続)
 将来的な目標として考えていましたが,最近は電子書籍での出版など出版の道がいろいろあるので,高校レベルでの生物学を俯瞰する形のものを書こうとしています.「新・高校生物の教科書」と仮称をつけています.2・3月は時間がとりやすく,情報源も多いので,情報収集と大まかな編纂をしてしまいたいところです.(協力者をこっそり募集しています.気になった人はコンタクトを.)
(2) 各種学びの機会を積極的に利用する
 初任研は当然のことながら,各種研究会など,今までつながりのなかった人や情報源とのコネクションを強化して,よい情報の得られるソースを増やしていきたいと思います。ちょっと自分の興味とかと違うところにも意外ないい情報が転がっていたりすると思うので,若干のズレがあるモノにも可能な限り参加していきたいと思います。ひとまず2年ほど遠ざかっている,PCCにも今年は参加したいなと思います。発表とかまではできなそうですが,近いうちにはそういう形での参加も…。
2013年書き始め

 (1)の方は,結局封印されたまま1年が過ぎてしまいました。2014年に持ち越します…。
といっても,来年は担任(??)となる流れだろうなと思うので,ちょっと難しそうです。


 (2)の方は,今年はジオな世界の方々とつながれたのが良かったなと。
なかなか理科教育の中だけでいると得られないアクティビティの方法や,
視点を提供していただけたように思います。大変感謝しています。
微力ながら,OSMやらQGISのドキュメントの翻訳のお手伝いという形で,
ジオな世界にもこれから末永く関わっていかせていただきたいと思います。


 なんだか,例年よりも年の瀬がエネルギー充電モードなので,こんなもんでご勘弁。
いろいろ振り返りたいこともある気はしますが…。



 今年,新しくステキな出会いのできた みなさま
 以前から変わらぬおつきあいをいただいた みなさま
 いつもとりとめのないこのblogにおつきあいいただいている読者の みなさま
 良いお年をお過ごしください。
 そして,来る年もどうぞよろしくお願いします。
 



関連記事
 2010年の振り返り 「2010年締めくくり
 2011年の振り返り 「2011年を振り返ってみる→2012年へ向けて
 2012年の振り返り 「2012年を振り返って

2013/12/29

新しいお仲間との出会いは突然訪れた…

 年末といえば,映画ということで久々に映画館で観てきました。2本ほど。
プレーンズ」と「ルパンVSコナンTHE MOVIE」。
欲張って午前中に2本も観てしまいました。

で,その帰りにやっとこさ函館に大型書店「函館 蔦屋書店」ができたというので,
偵察に行ってきたら…

衝撃の出会い。





LAMYのサファリのスケルトンではないかっ!

ということで,ペリカンのデモンストレーターに続き,すけすけモデル2つめゲット。


ググったらずいぶん前から発売されてはいたらしいモデルのようだけど,
すっかりここまで見逃し続けていた…。

ペリスケと比べると価格差分,カートリッジ(コンバータ兼用)式ってのが残念だけど,
LAMYのコンバーターはなかなかしゃれていて,ぐるぐる回すところが,
赤いのね。

ちょっとしたアクセントになってよさげ。

年末にちょっと嬉しい出会いでした。



ペリスケ購入時の記事 → 万年筆とボトルインクを買い足した

2013/12/27

2013年仕事納め

 今日は,2013年の仕事納めでした。ニュースによれば,役場関係は,
首長からのお話があったりしたようですが,学校は粛々と長期休業中の
他の日と変わらずに過ぎていきました。いつも落とさないものの電源を
落としたりぐらいはしましたが…

 初任者研修で学校を離れることの多かった一年でしたが,
実習ネタをどしどし増やせたのは良かったなと思います。

 ・シリーズ発酵食品を作ってみよう「納豆」【代謝・発酵】
 ・シリーズ発酵食品を作ってみよう「ヨーグルト」【代謝・発酵】
 ・カッテージチーズを作ってみよう【タンパク質の変性】
 ・ウズラ胚を用いた発生学実習【発生】
 ・TLCプレートでの光合成色素の分離【代謝・同化・光合成】
 ・ニワトリの手羽先の骨格標本づくり【進化・系統分類】
 ・イトマキヒトデの解剖【系統分類】

 これに加えて昨年度から踏襲の実習で実施したものが次の通り。

 ・淡水プランクトンの観察【系統分類・進化】
 ・イワシの解剖【系統分類・進化】
 ・イカの解剖【系統分類・進化】
 ・植物の形態観察【系統分類・進化】
 ・ペーパークロマトグラフィーでの光合成色素の分離【代謝・同化・光合成】
 ・ニワトリの心臓の解剖【恒常性】
 ・顕微鏡の使い方
 ・カタラーゼの活性【酵素】

と実習の方は昨年に引き続き充実しています。

 残念なのは,科目通信がVol4で発行が止まってしまったこと…
何となく昨年より授業時数に余裕がなくて,作っても通信の話ができなかったり,
そもそも通信を作るネタを拾うのんびりな時間がなぜだか作れなかったのが
敗因…。



 9連休でしっかり心と体と頭にエネルギーを充電して,2014年に備えようと思います。

2013/12/08

FOSS4Gのイベントに教育の人として参加して考えたこと

 この記事はFOSS4G Advent Calendar 2013 12/8のものです。

 縁あって,今年は北海道で開催されたFOSS4Gイベントへ7月12月と2回も
お誘いいただけました(さらにはAdvent Calender 2013にまでも)。
イベントに参加する中で,環境教育とか,宿泊研修・修学旅行とかでの
アクティビティとしてやらせると面白そうなことを思いついたり,
GIS初学者がQGISとかを使い始めるときの壁になると感じたりしたこと
について徒然なるままに書いていきます。


 ウオーキングペーパーでマッピング
 宿泊研修や修学旅行は,高校生活での思い出づくり的な要素が
大きいものではありますが,まとまった時間,校外で学習活動ができる
ステキな機会なので有効に使いたいものです。
 日頃過ごしているところから離れたときに,街並みの雰囲気の違いを
味わってもらいたいと思うのですが,「こんなことに気をつけて見ておいで」
といってもなかなか高校生に要求するのは難しいと思っていました。
 何かをしっかり見つめて欲しいときどうすれば良いか…。
それが何か生き物とか,生物の構造物だったら,スケッチさせるよな…。
おっ!じゃあ,マッピングさせればいいじゃん。でもどうやって...(+_+)

 とか思ってたときに,ウオーキングペーパーなるものをお教えいただきました。
こいつを使えば,大ざっぱに言えば,OSMに紙とペンだけでマッピングができる
という優れもの。これなら生徒にやらせられる\(^_^)/



 初学者の叫び「なんかたくさんアイコンが並んでる」
 QGISを初めて開いたときにびっくりするのは,画面に並ぶアイコンの量の多さ
ではないでしょうか。なんと79個ものアイコンがデフォルトででています。
みんなにお馴染みのMS Word2010では,40数個ほど。倍近い量のアイコンに
圧倒されて何を押したら良いものか,直感的に戸惑ってしまうところ。


なんか初心者モードみたいなやつで起動すると,最小限のボタンだけが表示されるように
なっていると初学者はすこしは取っつきやすいのかなと…(開発の方々是非!)。
教える側にとっても誘導しやすいのかなと思います

 第二関門は,レイヤの種類の多さ。なにやらレイヤを追加していったらいいらしい
ということがわかったとして,メニューのレイヤをクリックしたら…


うぉーなんか不思議な名前のものがたくさん並んでいる…
これも恐ろしい…。こちらも初心者モードだと表示される量が制限されるとよさげです。

たぶん初学者の頃に使うのは,ベクタレイヤとラスタレイヤがあれば基本的には
十分なように感じます。あとは,OpenLayersPluginがあればよろしいかと。
かくいう斉藤もその程度しか使ってないし…(^_^;)
逆に,OpenLayersPluginデフォルトで入っていて,このレイヤのメニューで選べると
嬉しいのかなと思ったりします。

初学者に優しいUIでできるとQGISの普及をさせやすくなるのではないかと思いますが
いかがでしょうか?

2013/12/06

【備忘録的な】PISA2012調査が発表された

12/3付で,PISA2012の調査結果とりまとめがひとまず発表されたようです。
考査前のドタバタですっかり見逃していましたが,参加中の研究協議会で話題に上ったので,旬なうちにざっくりとだけ確認しておきましょう。

国立教育施策研究所のOECD生徒の学習到達度調査(PISA2012)のポイント(PDF)が,ざっくりとまとめてくれていて見やすいです。
数学的リテラシー、読解力、科学的リテラシーの3分野すべてにおいて、平均得点が比較可能な調査回以降、最も高くなっている。また習熟度レベル別でも、2009年調査から引き続き、レベル1以下の下位層の割合が減少し、レベル5以上の上位層の割合が増加している。
・数学的リテラシーは、平均得点が低下した2006年に比べ、有意に上昇
・読解力は2009年に引き続き、平均得点が有意に上昇
・科学的リテラシーは比較可能な2006年に比べ、平均得点が有意に上昇
・数学に対する興味・関心を持つ生徒や数学の有用性を感じる生徒の割合は、2003年に比べると有意に増加
(OECD生徒の学習到達度調査(PISA2012)のポイント 結果概要 より 色下線は斉藤による) 
「PISAショック」から転じて,かなりポジティブな結果となっているようです。
でも,「脱・ゆとりして良かったじゃん!」というわけではないようです。
というのも,今回調査結果の対象となっている子どもは,
平成24年の15歳(高校1年生)であって,彼らは,「ゆとり教育」と批判された
平成10年度改訂学習指導要領で最初から学んできた子どもたちなのです。
解釈のしかたは慎重にしないといけないですね。
国を中心に各教育専門家たちがいろいろな解釈を提示してくるのでしょうが,
調査結果の原典と,今回の調査対象となった子どもたちが受けてきた教育,
その背景にある社会環境を統合して理解していく必要がありそうです。
(今年の年末の宿題が増えた…)

各種報道でいろいろ取り上げられるのだろうけど,短絡的な見方になって欲しくないな
と思う次第です。



■各種資料■
Results from the 2012 data collection (OECD)
http://www.oecd.org/pisa/keyfindings/pisa-2012-results.htm

OECD生徒の学習到達度調査(PISA)2012年調査の結果について(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/25/12/1342038.htm

2012年調査国際結果の要約,問題例,ポイント(国立教育施策研究所)
http://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/


SlideShareには,PISA2012の世界版とりまとめのスライドがありました。
100枚越えの超大作です。

2013/12/01

FOSS4G函館勉強会で発表してきた


FOSS4G函館勉強会が,11/30-12/1で開催されました。
7月のFOSS4GHokkaido2013での発表に続き,
「コミュニケーションツールとしてのQGIS-メッセージを絞った地図を作る」
というタイトルで発表の機会を頂きました。
Geo系イベントへの参加はこれで今年2度目。
今回は,ゴリゴリFOSS4Gを使っている人向けではなく,
駆け出しの人たち向けということだったので,夏のネタからアレンジして,
斉藤のQGISとの出会いの話とその後の話で展開しました。
夏のバリバリの技術系の皆様を前にしての発表とは打って変わって,
今回は,バリバリの生態学系の皆様を前にしての発表ということで,
前回とは違った雰囲気での発表でした。


教育畑の人たちではないところで,少し教育の話もはさめながらお話させて
いただけたのは,とてもありがたく感じています。
教育界の中であれこれ知恵を絞ることはとても重要だと思うのですが,
違った畑の人たちからの意見は,新鮮な視点があってとても参考になったり,
他の畑から教育畑に参入してきてくれるような人の発掘ができたりと,
いいことづくしのように斉藤は思います。

ということで,今後とも,教育業界以外にも足をどんどん踏み込んで
行きたいと思っていますので,どうぞよろしくお願いします。



■発表スライド

懇親会で,「とても安心して見ていられるスライドでした」と好評を頂きました。
特に,スライド右上の残りスライド表示がプログレスバーみたいで,落ち着きますとも。
狙い通りに感じ取ってもらえたようでよかった,よかった。

2013/11/10

情報機器が発達した現代でも,生物の授業でスケッチさせる意味

 高校までの生物の実習といえば,「○○の観察」とか「○○の解剖」というのが中心。
物理とか化学とかみたいに,条件を制御して,得られた数値データを比較して,みたいなものは皆無ですね。そのせいか,生物は文系生徒のための暗記科目といわれたぐらいにして,科学らしさが現れないのが悲しいところです。(というのは別の機会にして…)

 「○○の観察」とか「○○の解剖」をすると,時間があれば,スケッチで記録することが多いでしょう。このスケッチですが,どういった目的で行われているのでしょう。
 恐らく,多くの人が思いつくのは,「結果を残すため」ということでしょう。実際,レポートの結果的な欄に記述することが多いでしょうし,そういう側面は間違いなくあります。
 数年前までならこれだけでも十分なスケッチの目的だったのかもしれませんが,情報機器が発達した今では,ちょっと合いません。記録を残すだけなら,写真を撮れば十分です。
 今や,中高生はみんなたいていスマホないしガラケー(フューチャーフォン)を持ってます。それには必要十分な機能を持ったカメラが搭載されています。肉眼での観察ではもちろんのこと,顕微鏡での観察でも,ケータイカメラを使っての記録は容易くできます(参考)。

タマネギの根端分裂組織を用いた体細胞分裂の観察
iPnone4Sで撮影
 たとえば,高校生物基礎の教科書に掲載されている,体細胞分裂の観察の実験なんかは,プレパラートの作成と,分裂期の細胞がよく見られる部分の探索ぐらいまでで1コマ分の時間となってしまいます。順調に進んだり,こちらである程度用意することで,多少スケッチさせる時間をとることはできるでしょうが,高校生物基礎では,観察できた各段階の細胞数から,各細胞周期にかかる時間を考察させるなんて課題があります(そもそも体細胞分裂の観察自体は中学校で取り組んでいることが多い)。
 だいたい一視野で数百個の細胞が見えるというのに,これを段階ごとに計数させるところまで,1コマで終えるのは至難の業ですが,ケータイカメラで写真撮影させておけば,後でゆっくり計数させられます。



 となってくると記録の意味でのスケッチは目的を失うことになります。むしろ写真というよ手軽で,正確に記録できるツールに歩があるように思います。


じゃあ,スケッチなんてさせなくていいじゃん!


 という声が上がってくることかと思いますが,スケッチには,結果を記録するよりも教育的に重要な意味があります。それは,

ものをよく観察させる手段

ということです。
 英文だったり古文漢文だったり,社説だったりをノートに書き写させるという作業がありますよね。これって文章を書き写すことで流し読みを防止させて,じっくりと読ませるという意味をもっています。単に「よく読めよ」と指示しても,生徒は読み飛ばしをしたりするので,書き写させますよね。もしくは,重要なところに線を引かせながら読んだりしますよね。
 これの生物版がスケッチなんです。生物のスケッチは見たものをそのまま書くわけではありません。顕微鏡で観察するときなんかは,気泡やゴミが対象物についてしまうこともありますが,これは通常無視して書きます。なぜなら,気泡やゴミは今回対象としている観察物ではないからです。
 また,実線と点描のみで書いて,着色などはしません。故にペイント(paint塗り絵)ではなく,ドロー(draw線画)なのです。ということで,斉藤は線を引くという意味合いで「スケッチをかく」の「かく」には,「書く」の方を好んで使います。「描く」だと何となくペイントの要素を強く感じるので。観察物の形状をしっかりと理解しなければ実線だけで書くことは困難です。デッサンならよく分からないところは上手くにごまかすこともできますが,実線だけでそれをするのは至難の業です。

 これはかなり個人的な印象なのでどうだろうかと思いますが,生物の観察の実習って何とな軽んじられている気がします。絵書けばいいんでしょみたいな感じで。絵(スケッチ)を書くことは目的ではなくて,観察対象物の構造を理解することが目的だということが認知されていないのが悲しいです。なんだか,言語活動の充実とかでグループディスカッションとかすればいいんでしょと同じような悲しさです…。


手段と目的をはき違えないようにしたいですね。





P.S.

今年Science Window春号にこれに関連した特集記事がありました。

[特集]見るから描ける 描くから見えてくる

是非,ご覧ください。

2013/10/27

2013.12~2015.03の手帳買った。

秋の大会ラッシュにやられて10月の前半は落ち着かず…。しばらくぶりの更新です。

スケジュール管理。大学でPC関係の団体に入ってから,
Googleカレンダーを使い始めてから,メインのスケジュール管理は,
Googleカレンダーでやってきたので,しばらく紙の手帳というのを使っていませんでした。

が…

去年・今年と学校で働いて思ったのは,今のところはデジタルの方との親和性が
あまりないということです。
どこでもPCを持ってけばネットワークにつながるってもんじゃないし,
会議中スマホとかタブレット出しとくのも微妙な空気感なのです。

ということで,ひとまず紙の方に戻ることにしました。
これから校務がもっと情報化されたり,校内の環境が整ってくればまた自分は,
デジタルの方に戻ると思います。スケジュールの変更や定期的な予定の入れやすさでは,
どうしてもデジタルの方に分があって,斉藤としてはそこがいいと思うので…。


と前置きが長くなりましたが,今回選んだ手帳は…


HITIDE Minute Manager EXというやつです。
サイズはA5版で,外側はハードカバーなタイプで結構丈夫。
中身は,カレンダー,年間スケジュール,月間スケジュール,週間スケジュール
などとなってます。
週間スケジュールのところは,左に1週分,右にメモ欄のものです。
1日毎はおおざっぱに3等分されているだけです。


学生の頃は,時間割とかも入れていたので,時間が細かく分かれているタイプにして
いたのですが,時間割はプリントされたものが配布されるので,それをぺたっと
右の端っこに縮小コピーして貼っておいた方が便利かなと。
自分以外の先生の空き時間もわかった方が何かと会議なんかの時には便利。

そして右側のメモ欄もポイント。何かとまめに記録を残しておくことが
重要だったりするので,週毎にメモ欄があるというのは便利。
   情報を保護するための暗号文を考えなば…。



で,なんで12月始まりので買ったかってとこですが…。
学期またぎの時とか,年度またぎの時っていろいろと会議などごたごたするので,
そこで分かれてしまわない方が扱いやすいという話を紙手帳を愛用なさっている
先輩にお教えいただいたので,まねしてみたというところです。

外側と中の紙の肌触りがなかなか良いので,使い始めが楽しみでありまする。

2013/09/29

新しい教育用語(!?)「コア」とやら。

 「初等中等教育分科会高等学校教育部会の審議の経過について~高校教育の質保証に向けた学習状況の評価等に関する考え方~」なる資料が公開されていました。
 今年の初め(1月)に出されたもののようですが,全くお目にかかっていなかったので,読んでみました。先日の研修で「国の施策についてもアンテナを張っておくように」といわれたことですし。


ひとまず目次から

1.高等学校教育部会における検討の背景とこれまでの検討経緯
 (1)近年の教育政策の中での高校教育に関する提言
 (2)高等学校教育部会の設置と検討の開始等
 (3)高大接続に関する諮問と特別部会の設置
 (4)高校教育の質保証に関する検討
2.高校教育の質保証をめぐる現状と課題認識
 (1)高校教育を取り巻く現状と質保証
 (2)質保証・向上に関するこれまでの取組
 (3)課題認識
3.全ての生徒に共通に身に付けさせる資質・能力(「コア」)についての基本的な考え方
 (1)「コア」の範囲
 (2)「コア」の要素についての捉え方
 (3)必履修教科・科目等と「コア」との関係
4.高校教育の質保証に向けた評価の仕組みについての基本的方向
 (1)全ての生徒に共通に身に付けさせるべき「コア」と評価
 (2)基礎的・基本的な知識・技能と思考力・判断力・表現力等の評価

1.,2.,のあたりは昨今よく言われているところを端的にまとめてくれています。この辺はさすがというところです。(近々教員採用試験受ける人は是非一度読んどいてもいいのではと。もちろん現役の我々教員も今一度読んでおいていい資料な気がします。)

さて,この資料で注目したいのは,3.で現れる「コア」という言葉です。資料によれば,

「全ての生徒に共通に身につけさせる資質・能力」 = 「コア」

なんだそうです。
「コア」の要素は,生きる力(知・徳・体)の三領域すべてに含まれるものであるそうで,これについて親切に図解してくれています。
資料p15より
「コア」の要素を含む資質・能力の重要な柱として次の2つのものが考えられているようです。
 ●社会・職業への円滑な移行に必要な力
 ●市民性(市民社会に関する知識理解、社会の一員として参画し貢献する意識など)

「今」の高校段階としては確かに重要なことだなと思います。
高校で勉強する各教科の内容なんて,学ぼうと思えばいくらでも学校の外で学ぶために必要なモノとか機会がある。
カタリバ大学 第54講「『大学に行く意味って何?』会議」
でも問題視されるように,大学に通う意味がこれまでと違うに思えてきている。今はまだまだ大学の話かもしれないけれど,これはいずれ高校に降りてくると斉藤は感じている。
そんなとき高校へ通って勉強することの意味をどこに見いだすか。斉藤は,今回取り上げた資料で中教審高校部会が挙げた,「コア」の重要な柱を育成することにあると思う。それって,学校という小さな社会の中でだからできることなのかなと思う。

 教科のことはこれまで通り,科学的に社会を見る目を大切にがんばってかなきゃと思いつつ,生徒会が教員の下請けではなくて主体的な活動になっていくように指導していかねばいけないと改めて腹をくくった。




 ところで,この「コア」って言葉いつから現れたのでしょう。同資料の末尾についている別紙の『高等学校教育部会における「課題の整理と検討の視点」<概要>』(中央教育審議会初等中等教育分科会高等学校教育部会(第11 回)(平成24 年8 月10 日とりまとめ))に記載があるので,少なくとも昨年8月には現れた言葉のようですが…。


■資料
初等中等教育分科会高等学校教育部会の審議の経過について~高校教育の質保証に向けた学習状況の評価等に関する考え方~:文部科学省
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/047/houkoku/1331803.htm

2013/09/15

iPhoneから更新してみる。

iOS用のbloggerアプリをiPhoneにインストールしたので、試しに更新してみます(^O^)
変換候補を展開した時の挙動が怪しい…。
きちんと展開されない。
いかにうまく変換できるが問題だな。

画像貼り付けテストを兼ねて、先日やった薄層クロマとグラフィーの結果でも貼ってみましょう。

左がワカメ、右がサクラ。

2013/09/10

身のまわりの微生物の培養実験に挑戦!


 現行学習指導要領(いわゆる旧カリ)な3年生達の生物2の課題研究の一つとして,
微生物についての課題研究を取り上げることにしました。
生物の系統分類のところで細菌の話をしたときに,きれいっぽく見える手のひらや
身のまわりには,細菌類がうじゃうじゃいるのだよ,なんて話をしたらどれほどいるものか
興味をずいぶんと持ってくれたので,取り上げるに至ったわけです。

が…。クリーンベンチなんぞない,圧力釜とかいう名の昭和レトロなオートクレーブ,
プラスティックシャーレなどなどを買う予算なんぞない…。
と暗雲しか立ちこめてませんでしたが,なんとかあるものなどで動き始めました。



僕らには「おまじない」がついている!

 クリーンベンチの中でできた方がいいけど,そうでない時は…な方法として,
大学の学生実習でも使った「おまじない」でシャーレへの寒天培地の分注をしました。
ガスバーナーの火をつけてその近くで作業すれば,上昇気流が生じているから,
落下してくる微生物が混入しないという技。
 純粋な(!?)大学生だった斉藤は,すばらしいアイディアなんて思ったような気がしますが,
TAの人だか先生だかが,「まぁ,おまじない程度ですけどね」と言ったときには…。
それ以降,この手法は斉藤の中で「おまじない」と名付けられたのです。

培地に分注スペースにおまじないしている。
なんと,2台も使ってしっかりおまじない。

肉エキスとかコンソメでよくない?

 しまった,培地を何で作ろうか…という大きな壁にぶち当たりました。
寒天は,食品用のでも良かろう。組成をどうしたものか。肉エキスとかなんだとか
買うような予算はない…。
 と思案していたのですが大学時代の某友人(コッチ系を使う人)に尋ねたら,
「かつお出汁の素とかでいんじゃね」とかいわれた。
なんかいろいろ混ざりすぎてないだろうかと心配した斉藤をよそに,彼は続けた,
「いや,そのなんかいろいろ入ってるのが,きっと,ちょうどいいんだよ」と。

 出汁の素は残念ながら余ってなかったので,我が家で古くなって湿気を吸って
残念な状態になったコンソメスープの素が放置されていたので有効活用してみました。
 果たして,大丈夫か…。

名付けて,「CSM培地(ConSoMme培地の略)」



現状としては,培地の製作まで終了したところ。
明日は,いよいよ植菌。はたしてうまくいくのか…。
何かしらは増えるだろうけど。なかなか出なかったら出なかったでおもしろいのでよかろう。
失敗も研究のうちということで。



つづく?

■2013.10.01追記
無事,植菌をして,38℃で3日間ほど培養しましたところ,
コロニーのでき方(色,形)から5~7種類ほどの微生物がいたことが確認できました。
真菌類なのか細菌類かや,いったいそれが何かの判別までは至らずに終わって
しまったのが残念ですが,消毒した指先を押しつけたプレートにはコロニーがなく,
消毒してない指先を押しつけたプレートには,コロニーが現れたなど,予想通りの
結果が出てきたのは良かったかなと。
少人数の選択授業の中で自由研究的に,いろんなところの微生物を採集して,
培養してみたというところで,生徒達は満足げだったのは大変よかったかと。
機材とか手技的なところと,生徒の学習レベルがより高ければ,ここからさらに深めて
いけると探求活動(課題研究)としての目標達成にはよいのでしょうが…。
現状的にはひとまずここまでなのかなと…思ったり…。

【備忘録的な】物理情報数学Cの講義動画がわかりやすい。

全然自分の専門の分野ではないけど,youtubeで明快な講義動画を
偶然に見つけてしまったので,思わず見続けている今日この頃。
たぶんすごくやわらかい表現に言い換えているのだろうなと勝手に想像。
まぁ,細かいところまで完璧に押さえようとおもって見てないという自分の
気の持ちようのところもあるかもですが。
































なんだか,慶応の講義動画がよく自分の感性にしっくりくる気がするのはなぜか…。

2013/08/14

HOLUX Wireless GPS Logger M-241を買いました。

 ついに手を出してしまいました,GPSロガ-。
スマホでもいろいろやりようはあるのですが,バッテリーのこととかもあるので,ロガ-の方がいいかなと。これから本格的に授業とか環境教育のなかで,空間情報も含めての実習をしようと企て始めているところというのもありますし。
 GARMIN ハンディ GPS eTrex 10 のようなハンディGPSのほうが,ポイントも打ちやすいし,地図も見られるしで良いように見えるのですが,M-241の方がよいことがあるんです。ラジコンヘリとか気球とかで空撮するときに,ラジコンヘリや気球の飛行経路をとるのには,小型なM-241でないと,ラジコンヘリとかにくっつけれません。

 ちなみに,競合製品として,アイオーデータから販売されているI-O DATA 旅の思い出の足あとを楽しむGPSロガー GPSLOG
というのもあります。中身としては,M-241cのようです。Amazonだと1500円ほどお高いので,斉藤は,HOLUXの方にしました。が,Amazonの販売発送ではなかったので,送料含めて,6238円と,結局500円ばかししか変わらないことになってしまったのですが…。黄色いボディの方がかっこいいからいいんです…。

 さて,トラッキングログをPCに転送するときなのですが,USBケーブルを使わずともBluetoothで転送ができるというので,これを早速試してみたら,罠にはまりました。Bluetoothでの接続で引っかかるといえば,斉藤的にはペアリングコードです。今回もこれにやられました。


 どれだ?となるわけで…。クイックガイド的な紙切れには,ユーザーガイドのP29 を見たらわかるよと書いてあるのに,ユーザーガイドがPDFですらないという…。ひとまずペアリングコードなしでやってみると一応Windows的にはつながった体になりました。そこで,公式のログデータ取得ツールHoluxlogger Utility_1.1.0.48での接続を試みると,ペアリングコードを入力しなさいと怒られました...。
 Google先生にお伺いを立ててみると,ペアリングコードは「0000」で良いらしいことが判明...。
入れてあげたら,素直につながりました。

さすがに,本体のファームウェアは最新版にちゃんとなっていました。
 ちなみに,COM Portを選択するようになっているのですが,斉藤の環境下では,Auto Detectははたらかず,デバイスのプロパティからCOM Port番号を調べて,手動で設定してあげル必要がありました(何のためのAuto...)。

 とまぁ,PCとの接続も何とか終わったので,いろいろと遊んでみたいと思います。



■参考
 USBのドライバやファームウェア,ツールのダウンロード(メーカーページ)
  http://www.holux.com/JCore/en/support/downloadCenter.jsp
 バンドルソフト「Holux ezTour for Logger」のダウンロードページ
  http://market.holux.com/Software/SU/

2013/08/12

『平成25年度3月実施公立高等学校入学者選抜実施状況報告書』(道教委)が出ました

久々に道教委のwebページを開いたら,8/8付けで,『平成25年度3月実施公立高等学校入学者選抜実施状況報告書 【高校教育課】』というのが公開されていました。
どんなものかと思って見てみると...
 ・出願者の状況
 ・学力検査結果の概要
 ・学校別受検者数及び合格者数
 ・学力検査問題等研究協議会における主な意見
 ・学力検査問題正答表
 ・学力検査問題領域別正答率
がまとめられたものでした。出願者数や合格者数とか定員割れの状況とかも,興味深い数値ではあるのですが,学力検査の概要にある,教科別の得点分布と,学力検査問題正答表(問題別の正答率),学力検査問題領域別正答率に注目してみました。

 まずは得点分布です。理科・英語は,比較として掲載されたH24年度の傾向と大きく異なったようです。

得点分布(理科):下位層にピークがあったのが,中位層にピークがシフト。
得点分布(英語):理科同様下位層から中位層にピークがシフト。
 ちなみに,国数社は,H24もH25も中位層にピークがある形におおむねなっています。理科も英語もH24年度よりも1~2点平均点も上昇しています。底上げが図られたと喜んでいいところなのでしょうか。問題別の正答率なんかも見てみましょう(理科の先生なので理科だけでご勘弁...)

 理科は,第1問~第5問までの大問5題での構成なのですが,他の大問に比べて小問毎の正答率が高めなのが,第1問。いわゆる小問集合の類いのもので,物化生地の4分野の基礎問題が1問ずつの出題でした。
問題は,http://www.koukou.hokkaido-c.ed.jp/gakuryokukensa/gakuryoku.htmlで見られます。
 どの問題も7割を超えているということで,ここの12点分ができていると下位層からの脱出となる問題だったのでしょう。実際に問題を見てみても,中学理科の基礎の基礎といえる問題ばかりです。l中学校の基礎の部分があやしい高校生も多く見られる昨今としては,嬉しい話題。
 一方で,第2問~第5問を見てみると,7割を超えている問題が激減。第2問においては,すべての小問で5割未満の正答率となっています。第2問は化学領域の,密度に関わる出題でした。やはり中学生の多くにとって,密度は難解な部分のようです。高校生でも苦労するところではあるのです。(「単位~あたり」という表現に異常に弱い…。)
 さて,第4問が生物領域だったのですが,第2~5問の間では小問毎の正答率は高めです。何となく取っつきやすかったり,さらっと覚えればおしまいというのが,その要因でしょう。第4問の各小問の正答率は,ほぼ6割越えのなか,唯一3割代なのが,次の問題です。

http://www.koukou.hokkaido-c.ed.jp/gakuryokukensa/gakuryoku.html より
 さて,みなさんわかりましたでしょうか。
正答は,「ウ,きたない水の指標生物の個体数が, 地点Q,Rが0であるのに対し,地点Sで最も多くなっているから。」となっています。各採集地点の位置関係と,指標生物の出現状況をまとめた表の数値を適切に結びつけられるかが,ポイントとなる問題です。(別に表と地図に分けなくたって,GIS使えばステキな図にまとめられるのだろうにとか思ったりするけど...)
 表面的に用語を覚えるだけの勉強しかしていないと,こういった類いの生物領域の問題には全然対応できないのです。生物が暗記科目と罵られる日が来なくなることを夢見て,がんばろうと改めて思わされました。



この報告書って,毎年出されているのだろうか…。いままで存在知らなかったけど…。

2013/08/10

STAEDTLER Textsurfer gelを使い始めました

 前々から気になっていたのですが,先日東急ハンズに行ったときにとうとう買ってしまいました。固形タイプで裏写りしない蛍光ペンのSTAEDTLER Textsurfer gel(ステッドラーテキストサーファーゲル)。裏写りしないという大きな特徴の他に,文具マニアの間では,絶妙な書き心地がすごいと話題になっているもの。


ラインナップされているイエロー,ピンク,オレンジの3色すべてを購入しました。

キャップを開けたら,半透明なちょっぴりきれいなペン(!?)先が出現。質感はどことなくクレヨンっぽいです。線を引っぱってみたら,クレヨンよりも引っかかり間というか重い感じがなく,すんなり引ける感じ。何とも表現はしにくいですが,あえて言うなら,「ぬらぬら」という感じでしょうか...。

 確かに評判通り,薄い紙でも裏写りは全然しません。が,斉藤の筆圧のせいなのか,線を引いたときに微妙に固形のカス様のものが出てしまい,それに手が触れるとのびてしまったり,重ねた紙についてしまったりします...。
ついでに,強い筆圧をかけてしまった場合のことをいうと,通常の蛍光ペンよりはペン先がしっかりしているので,ペン先がダメになりそうにないです。筆圧が高くなりがちな斉藤としては個人的に嬉しい点です。

 2009年には国内で販売されるようになっていたようで,すでに4年もたっているのかと思うと,今まで使っていなかったことを残念に思うほど,好みな筆記具です。どのくらいの期間で1本使い切ってしまうか...。書き物はそれほど多くないですが,マーキングは結構するのを考えると,案外すぐに使い切ってしまうのかなと思ったり。





製品情報をググってたら,Youtubeに紹介動画がありました。





2013 PC Conference in Tokyo Univ.に参加してきた

出張続きで落ち着いてまとめる暇もなくすっかり遅くなってしまいましたが...。



2年ぶり3度目のPC Conferenceに参加してきました。
 2009(愛媛),2010(仙台)と参加し,2011(熊本),2012(京都)は教員採用試験と時期がかぶったため参加できずでした。

 2009,2010は,大学生による大学入学生のためのPC講習会を企画・運営している人として参加していたので,他大学のPC講習会の様子や大学生・高校生のITスキル実態調査といった,PC講習会の企画・運営に関わるものを中心に分科会は聞いて回っていました。
 2010は発表したりなんかもしました。

 教科情報の教員でもない斉藤が,PC講習会の企画・運営から離れたのにも関わらず,私費で参加することにしたのはなぜか。
 (1)ICTを活用した授業のトレンドを感じられる
 (2)様々な背景の人があつまるというおもしろさ
 (3)継続して参加してこそ見えてくるもの,得られるものもある
という3点です。

 (1)はwebでもある程度は拾えるとは思うのですが,出始めの情報から廃れはじめまで,ごった煮な感じにどうしてもなってしまうので,こういった集まりでどんなものが話されるかというのは,一つの指標になるのかなと考えています。必ずしも,現在のトレンドだからいいものだという訳ではないですけど,いろいろな人が試してみてどうだったかとか,それを踏まえてこれからはこっちだろという方向性を示してもらえるのなら,わざわざ自分で試行錯誤する必要もなくなるので,よいかと。
 と書くとあらぬ誤解をする人もいるかもしれないけれど,個々人が同じような試行錯誤を何度もするのって何とももったいないじゃないですか。時間は有限な訳だし,それぞれとしては,主専門の領域(斉藤なら理科(生物)教育)にやっぱり時間を費やしたいわけですしね。

 (2)は,人とのつながりということも含めてのメリット。異分野の人とのつながりを得られるというのは,そうそう機会として多いわけじゃない。一方で,何か新しい試みをしたりするとには,異分野の人のアイディアがとても参考になったりする。とつくづく斉藤は感じた今年の夏休み前半でした。

 (3)は,斉藤もこれで3回目という程度なのでまだまだですが,何事も継続は力なりというますし…ぐらいなところですが。今後への期待も含めていたり。


ということで,来年も是非参加する方向で考えています。 なにやら,来年は札幌で開催のようなので,移動はずいぶんと楽だな-。せっかく広い意味で地元開催なのだし,イブニングセッションなり発表なり,なにかしら考えようかなと思ったり。

2013/08/09

第56回北海道高等学校理科研究会小樽大会(全道大会)に参加してきた

出張続きで落ち着いてまとめる暇もなくすっかり遅くなってしまいましたが...。

 7/31~8/2で開催された第56回北海道高等学校理科研究会小樽大会(全道大会)に参加してきました。PCC2013(8/3~5)へも参加したかったので,8/1~2で行われた巡検の部分は参加せず,7/31の全体会・分科会(生物)・教育懇話会と8/1分科会(生物)にのみ参加してきました。



ニシンの大群襲来で白濁する沿岸-群来

 小樽といえば(!?),ニシン御殿(!?)が有名でしょう。20世紀初めに隆盛を極めたニシン漁で得た富を象徴する豪華な木造建築物。小樽水族館近くにある,小樽市ニシン御殿には,免許をとって初めてのドライブで訪れたなと思い出したり…。
 そんなニシンもぱったり捕れなくなり,資源回復事業によって徐々にここ数年で回復しつつあるようですが,まだまだ,隆盛期に比べれば数十分の一だとか。資源回復の難しさを感じます。
 そんな中でも,「群来(くき)」と呼ばれる現象がみられるようです。沿岸域に産卵にやってきたニシンの雄の精液によって産卵場一帯が白濁する現象を,「郡来」というそうです。2010年に群来が小樽に来たときは下のようになったようです。確かに真っ白。今年も来るようなら生で見てみたいものです。
速報・・ 今年も群来たぁー・・・・・の画像 - 新高島より  http://blogs.yahoo.co.jp/otarugyo/GALLERY/show_image.html?id=32661959&no=0


新学習指導要領(高校理科)実施2年目で見えてきたこと

  新学習指導要領に変わり,とりわけ生物分野で内容の取り扱いが大きく変化しています。生物の分科会でも,「新学習指導要領になり…」という枕詞がよく使われていました。
 斉藤自身は生態学よりの背景の人なので,生態学関係の分野が必須分野になり,「生物基礎」「生物」の両方にまたがり,多くの生徒が学ぶようになることを大変嬉しく思っています。
 一方で,分子生物学の分野も内容がかなり高度化しています。オペロンの話が教科書本文に載っていてびっくりしました。
 生態学関係の分野については,フリーのツールや100円ショップにあるもの,学校周辺の自然を使って,そこまでコストをかけなくても実習を組み立てられます。一方で,分子生物学の分野となると,機材やら試薬やらで結構コストがかかります。SSH指定校でもなければ,厳しいかなと…。そんなことを反映してか,分子生物学分野の部分について教科書では,「実験・観察」の代わりに「思考学習」というのが用意されています。
 具体物を扱って何かする経験が減って,単純に情報を覚えているだけの傾向が強くなっている現代っ子達を思うと,なるべく分子生物学分野についても多くの生徒実験を取り入れたいところ…。乱暴な言い方をすれば,思考学習なんて自分の家でもできる。学校だからできる経験は学校ではさせてあげたいなと斉藤は思う。
 そんな思いは一定の数の理科教員では共通しているのか,低コストでできる分子生物学系の実験器具の開発のお話がありました。普通に買えば3万円ばかしの電気泳動槽が4000円で作れるそうです。あとは,備品としては,1本3万円ほどのマイクロピペット(JIS規格正式名称は,プッシュボタン式液体用微量体積計なんだとか…へーが何とかできれば環境としては,ある程度の実験はできそうなもようだが…。マイクロピペットを使わないで(1mL駒込ピペットぐらいの精度で)DNAとかタンパク質の泳動とかの実験やる方法はないものだろうか…。





参考
第56回北海道高等学校理科研究会小樽大会 公式ページ
 http://www.hokuriken.hokkaido-c.ed.jp/zendo/13otaru/nittei.html

マリンネット北海道 (※北海道立総合研究機水産研究本部の各種業務紹介ページ)
 http://www.fishexp.hro.or.jp/cont/marine/index.html


2013/07/28

【理科素材】炭素原子の結合

夏休みに突入しました。夏休みといえば,夏季講習です。
部活をやっていた3年生にとっては巻き返しの大事な時間ですね。
今年度は生物系の進路希望者がいないため,生物の講習の開講がなく,
化学を担当しています。
5月からの平常講習で理論化学編はつまみ食いしてきているので,
まとまった時間でやるならばと思い,有機化学をテーマにしてみました。


講習のプリント作るときに,炭素原子どうしの結合の図がほしいなーと思い
何を思ったかIllustratorで書き始めてしまいました。
スキャナで読み込めばいいような図もあったりなかったりしましたが,
正四面体の配置なんかは,ちょっと書き換えればアミノ酸とかにもできて便利なので,
今後のプリント作成にも生かされるだろうということで…。

Illustrator形式(ご自由にどうぞ。)
こんなんができあがりましたよ。角度の決め方が難しかったな…。
Illustratorガリガリ使える人ならばさくっと仕上がるだろうなーと思いながら,
試行錯誤でした。

立体球とかどうすればそれらしく見えるのかと思ってGoogle先生に尋ねてみたら,
Illustrator球体の描き方いろいろ」というブログ記事がヒット。
3パターン中,3Dを使うのとブレンドを使うのを試してみたところ,ブレンドを使った方が
好みの感じにぱっと仕上がったので,こちらを採用。

今回は全く使ってませんが,
ぷんぷんしてます。

2013/07/18

ミニ水族館を催したなど

ミニミニタッチプールコーナー
道内各地の高校で学校祭シーズンな7月。
我が校でも盛大に開催されました。
今年度は,校外からのステージ発表への参加者を募ったり,展示企画を増やしたりとやや変革な年となりました。

クラス毎で展示が出たりするといいのかなと思ったりもしますが,そこまでの余力はクラスになく,部活・生徒会・教科などでの出展となりました。

「海の生き物のタッチプールとかあったらいいよねー」という話がどこからかわき,生物やさんの斉藤がやる流れになったのでした…。
道南に来て3ヶ月ばかし。まだまだこちらの生物採集スポットも把握できていない状況だったので,どんな生物を展示できるのやらと不安を抱えてのスタート。

とかく採集にいってみないことには始まらないということで,6月中頃の週末から探索開始。
なんとなく目星をつけていた磯は,空振り…。イトマキヒトデぐらいしか大物は見つからず。
潮の引きの状態があまりよくなかったのも影響していそうです。

空振りだった磯
これはまずい…。
こんな時はGoogle先生に相談だ!というこで,お伺いを立ててみると,
「日本海側に出るとステキな磯があるよ。車で1時間少々で着くよ。」
と教えてくれました。

潮回り的には,どこまで引いてくれるのかというタイミングでしたが,行ってみてびっくり。
広大な磯
かなり広い磯ではないですか。
さらに,大小様々な潮だまりが点在し,小魚,カニ,ヤドカリ,ヒトデ,貝類などなどいろいろな生物がひしめき合っていました。
展示までは日がまだ少しあったので展示用の採集は後日とし,展示資料作り用に少しだけ採集。

採集したヤドカリたち

生物紹介ボード用に描いた絵
(微妙…)

この日から,図鑑やらネットやらとにらめっこな日々が始まるのでした…。
磯の生物の同定に精通しているわけではないので,一苦労…。一応種まで落とし込んだことにしたのは,「タカノケフサイソガニ」と「アマクサアメフラシ」,「イトマキヒトデ」の3種。ヤドカリは決定打を得られなかった…。


柄にもなく生物紹介ボード用にイラストも描き始めちゃったりなんかして,大学のときに学校祭でやった生物展の準備を思い出したりなどしながら,自分も学祭ムードをすっかり楽しんでしまったのでした。


と準備に結構手をかけたのですが,当日の来場数はどれほどだったのか,記録写真の撮影やらで奔走していて,展示部屋に居座れなかったので不明なのが残念。

ただ,生徒たちが,学校祭本番前の展示準備中に入ってきて楽しんでくれたり,生物室で一時飼育しているのを見て楽しんで行ってくれたので,それだけでもよい。




付録;生物室での一時飼育中におもしろい(!?)動画が撮れたのでアップしました。













2013/07/06

FOSS4G 2013 Hokkaidoで発表してきた

昨日から札幌にて開催されている,フリー&オープンソースGISの祭典
”FOSS4G 2013 Hokkaido”(公式ページ)で事例発表をしてきました。

GISを実務でゴリゴリ使っている技術者の方々,システム開発者の方々など
業界での有名どころが多数お集まりになっている中での発表だったので,
どこまで興味を持って聞いていただけるかドキドキしていました。
しかし,殊の外いろいろなリアクションをいただけました。


教育とGISとの関わりでいくと,GIS関係者が考えてきていたのは地理学の分野であり,
なかなか理科でというのは,想定になかったようです。


GISの教育現場での利用事例をGoogle検索してみると...


上位の候補は,すべて地理に関わるもの...
一番目の候補は,「教育GIS」なんて書いてあるから広い範囲をカバーしているかと
おもってのぞいてみるものの...

https://sites.google.com/site/egisforum/

中は地理のお話ばかり...

そんな中,教科書会社の事例集に!!

http://www.shinko-keirin.co.jp/keirinkan/tea/sho/jissen/rika/201301/index.html
やっと出てきましたが,小学校理科。
やはりこの手の活用は小中の先生方の方が動きが速いようですね。
(高校は進学校だとどうしても受験を意識して,というのが壁になっているのかもしれませんが...)

これは,高校の教員がサボっているとか,GIS関係者がアプローチしてくれない
なんて理由からではありません。
学習指導要領(高校,平成11年改訂)では,理科の中でGISを使うような
分野が,生物Ⅱの後半かつ選択分野だったため,なかなか取り扱われにくい
状態でした。これでは活用方法の研究もあまり行われないのも納得です。


しかし,新学習指導要領(高校,平成21年改訂)では,GISの活用が想定される
生態学分野が,多くの学校で必修として置かれる「生物基礎」で取り扱いがあるよう
になりました。
これから高校理科でもGISが活用される場面が増えてくるかもしれません。
(少なくとも斉藤は,いろいろな形で使っていけそうだと思っている。)

そのためには,教育業界内でのGISに対する認知度を上げたり,
最低限自分で使える教員を増やしたりしていかないと厳しいのかなと思います。
GISというと,「GISなにそれ?」「なんだかよくわからんけど難しそうなことを…」とか,
「GPS?」なんて言葉が返ってきてしまうのが現状です。

ですが,GISって教育分野とかなり親和性が高いものだと斉藤は考えています。
GISを使えば,(位置情報がついている)数値データは,その空間的な関係性を
視覚的にわかりやすく示すことができます。ゆえに,単なる数値情報(表)だと
苦手意識を感じてしまうような児童生徒に対し,提示する資料を作るときの
強力なツールとなります。

また,WEB上では専門家が作成した様々な主題図等が得られるようになって
きていますが,内容が詳しすぎて,高校生に提示するには情報を整理させるのが
困難なものが多数あります。(逆に,情報量が少なすぎるものも...)
生徒のレベルや,学習進度に合わせて教員が適切な情報量に絞った形で
作り替えていく必要性があると思います。


教育業界でのGISの普及にご尽力をいただいている方々には,
是非高校理科(生物)の分野でも活用場面がありますので,こちらにも
目を向けていただけると助かります。



■事例発表での発表資料■





---追伸

発表後いろいろな方にお声かけをいただき,名刺交換もさせていただけました。
貴重なご意見や情報をたくさんいただけたことに大変感謝しております。
先日の会場での一度きりの関係ではなく,今後とも総合に協力できるような
形でいければと思っておりますので,どうぞよろしくお願いいたします。


2013/06/23

道南に来て2ヶ月ぐらい経って感じたことなど

人生初の道南生活も2ヶ月が過ぎようとしています。
まだ2ヶ月しか経っていないのかというような印象を受けます。
校務の方で忙殺された感のあるところも少しはありますが,
それよりも環境の違いに新鮮さを感じる毎日だったからでしょう。

とかく大きいのは,見知らぬ植物,見知らぬ鳥のオンパレードということ。
気候の違いが如実に出ているのだなと感じます。
お近くの黒松内町は,温帯域で生育するブナの北限地としても有名。


家の近くの線路をJR貨物の車両である,RED BEARが良く通過します。
昨年も線路近くの家でしたが,JR貨物の車両は夜にたまに見かけるぐらいでしたが,
ほぼ毎日見ている気がします。
通勤時間帯と,RED BEARの通過時刻が近いのもあるのでしょうが,
本州と北海道を陸路で結ぶところの入り口なので,よく見るのかな-とも。

鉄道車両もメカメカしくて好きなのですが,夜中に聞こえる走行音は,
あまりいただけないですね…。
まぁ,しっかり日中活動していれば深い眠りの中で気がつくこともないのでいいのですが…。




たぶん,道南だからというよりはとった場所の関係だと思うのですが,
先日学校近くのため池から採水した淡水プランクトンを観察したところ,
ミジンコに似た生物のバリエーションが去年よりもいろいろ見られました。
おかげで,一部の生徒はミジンコに夢中になってくれた。
(本当は,ケイ藻とか緑藻とかを一生懸命見てほしかったのだけど…
 思いっきり動いてるミジンコたちの方が好きだよな…。ケイ藻とか緑藻のおもしろさを感じてもらうには,
 一工夫したしかけを用意しないとだなと,大いに反省。)


カイミジンコ類(ウミホタルの仲間)
水中を浮遊するように泳ぐミジンコ類と異なり,水底を
泳ぐ様な様な動きをする。

ミジンコ(種不明)
背中の育房には卵が二つ。

ミジンコの耐久卵?
ミジンコ(ゾウミジンコ?)
たぶん上のやつとは違う種類。 
ケンミジンコ(カイアシ類)

昨年はケンミジンコばっかりで,みんなが想像するであろうミジンコの形のやつは,
大学時代から飼い続けていた,オオミジンコを見せられただけだったので,
今年は大収穫というところでしょうか。

2013/06/10

大沼国定公園に行ってきた

よいお天気だった先週末。大沼国定公園へ行ってきました。
いいお天気過ぎて,自転車で周遊道路を一周したら汗ぐっしょりになりまして,
大沼公園内を散策したら蚊にたかられ,6カ所ばかし刺されるという大惨事でした。

生物基礎の「生物の多様性と生態系」の章で題材にしようと思って散策していたのですが,
ほしかったネタを十分に拾えて大満足。
また,植物たちの力強さを中心にいろいろな生き物たちと出会えたので大満足。

周遊道路を大沼国定公園駅から反時計回りに回り始めた
最初の駐輪場から撮影した駒ヶ岳

白鳥台セバットから眺めた小沼
この授業のことはまた追々。

2013/05/06

新発見のGW後半戦

GW前半戦は,出歩くこともなく,何をするでもなく普段の休日で終わりました。
GW後半戦もそうなると,今年はGWを感じられずに終わってしまうところですが,
友人たちといくらか出歩き,おいしい料理を我が家で作り舌鼓を打ったのでした。


■我が家の新メニュー:エビとアサリのアヒージョ

最近ブームが来ているらしいアヒージョをお家で作って見ました。結構難しいかと思いきや簡単。具をほとんど食べた後の余ったオイルをソースにしてオイル系パスタにすると美味。
アヒージョ(西: ajillo) はスペイン語で「ニンニク風味」を表わす言葉であり、オリーブオイルとニンニクで煮込む、マドリード以南の代表的な小皿料理(タパス)の一種である。マドリード以北でも提供しているバル(飲食店、酒場)は多い。カスエラ(耐熱の陶器)にて熱したオリーブオイルごと供される。素材となる物は海老、エスカルゴ、マッシュルーム、チキン、砂肝、牡蠣、イワシ、タラ、野菜など多種多様である。オリーブオイルはバケットやチュロスを浸して食べることも多い。(Wikipediaより)
油で煮るというのだから,温度管理が大変かと思っておりましたが,案外簡単でした。


[作り方]
 1.冷凍のむきアサリ,有頭エビを流水でさっと洗う
 2.ニンニクを粗みじん切りにする(一度包丁の側面を使ってつぶしてから刻むとよいらしい)
 3.フライパンにオリーブオイル,ニンニク,(鷹の爪),塩こしょうを入れ強めの弱火にかける
 4.ニンニクがフツフツして香りが出てきたら,アサリとエビを入れて,弱火でフツフツと煮る

油の温度が上がりすぎて,煮るではなく,揚げるにならないように注意さえすれば,
ニンニクとオリーブオイルというゴールデンコンビに魚介のうまみが溶け出して
最高の味になります。

〆のオイル系パスタは,パスタを少し多めの塩でゆでたものを具材を食べた後のオイルに
入れてさっと絡めてあげればできあがり。これがたまらなくおいしいです。


他の具材でもいろいろ試してみたいな-と思ったのでした。



■自然探索:静狩湿原,礼文華海岸




静狩湿原では,ミズバショウが咲き乱れていました。4月中旬~下旬がシーズンな
ようなので,若干遅かったのですが,最近寒かったせいかちょうど咲きほこっていました。

礼文華海岸は陸路で行きやすいところは砂浜ばかりのイメージだった噴火湾沿いにも
関わらず,岩場にもアクセスしやすく,駐車場もあり,なかなか良いところでした。
磯の生物を使いたいときはここでの採集が良さそうかなと思ったり。



■洞爺湖名物!?:幸せの白いおしることビジターセンター

洞爺湖岡田屋の名物「白いしるこ」にミニ雪見だいふくが浮いた「幸せの白いしるこ」を
いただきました。結論としては,「白いしるこ」で良いなという感じです。
ベースとなっている「白いしるこ」自体は,甘さも控えめでくどくなく,おいしくいただけます。
小豆のお汁粉の力強い味が苦手な人でも食べられるのではないかと斉藤は思います。
(しかし,斉藤は小豆のお汁粉も大好きなので参考にならない気がしますが…。)

洞爺湖ビジターセンターは洞爺湖の周辺にいる生物や,洞爺湖自体,有珠山に
ついて学ぶことが学ぶことができる展示で一杯でした。
鳥のさえずりを聞き比べられたり,有珠山噴火によって噴出した岩石に触れたり,
床一面をつかった洞爺湖の航空写真があったりと,小中学生ぐらいまででなく,
高校生や大人も,洞爺湖の自然や有珠山を学ぶのに良い所です。





そんなことで,GW後半はとても楽しみました。
GWが開けると3年生の進学講習が始まったり,学校行事のラッシュだったりと
忙しい日々再びです。

2013/04/29

【読書記録】前へ ! 前へ ! 前へ ! ― 足立区の落ちこぼれが、バングラデシュでおこした奇跡。

前へ ! 前へ ! 前へ ! ― 足立区の落ちこぼれが、バングラデシュでおこした奇跡。 ―

バングラデシュで教育革命! 最新型の社会貢献スタイル! 現役大学生起業家の、奇跡の実話!!
朝日新聞「ひと」欄(2011.01.03)にも紹介されて話題の、現役・早稲田大学生企業家が書いた初めての著書。
高校3年生が始まる春、偏差値28だった“東京都足立区出身の落ちこぼれ”が、やがてバングラデシュの貧しい農村部で予備校事業「e-Educationプロジェクト」を立ち上げ、大学合格者を輩出した!
現在22歳の現役早稲田大学生の著者が、自身の成長ストーリーを描いた疾走ドキュメンタリー。
月刊『ソトコト』連載「20歳の社会起業入門!」に大幅加筆。 

 久々に勢いよく読み切った。税所くんの行動力を表すが如しの勢いのある
文体が,彼の猛進する姿を生き生きと表現していて,思わず読み進めたくなる。
じっくりと彼の軌跡を分析的に見ていきたいという人にはなじまない
かもしれないが,これから何かに取り組もうとか,何かに取り組んでいるけど
この先に不安をもつ諸氏には,前に進む力を与えてくれるかと。

 タイトルに「落ちこぼれ」なんてついているのは,彼が進学校の中でいう「落ちこぼれ」
だったときがあるだけで,全体像としては「落ちこぼれ」ではないと感じた。
中高大と積極的に学校外の活動に参加して,自分の世界観を広げている様が
語られている。

 とかく,感嘆してしまうのは彼の行動力の強さ。
中学校の生徒会では,空き缶集めてカンボジアに井戸を贈ろうキャンペーンを成功させる。
高校では,カンボジアスタディーツアーに参加し,贈った井戸のその後を見て唖然。
大学では,ケニアに短期ボランティア要員として渡航したり,本の著者に読了の日に
アポを取り,翌日会いに行ったり...


 何となく彼が描くビジョンに共感というか,斉藤の描くものと似たものを感じるけれど,
大きく違っている。彼はGlobalで,斉藤はLocalである。とでも言えるだろうか。彼が
Localをないがしろにしているという訳ではないが,彼の環境ではGlobalが優先されるのだ。
 この本の一節にもそれが感じうるものがある。
「君たちさ,東京都内の学力格差とか言っているけど,世界の途上国と比べたらそんなの格差って呼べないくらいの数値なんじゃないの?」
「世界の途上国?」
「足立区では学力格差があるっていっても,全員学校に行けているでしょう?途上国では学校に行きたくても行けない子どもたちがたくさんいる。それに比べたら,君たちのやりたい学力格差って何なの?」
「……」。僕たちは無言だった。その経営者の,人生の経験を積んだ重みのある声が部屋に響いた。これは,とても難しい話である。ただそのとき思ったのは,自分にとっては,「より問題が深刻で,困っている人に何かを届けたい」ということ。たしかに東京都内の学力格差は存在する。そして経営者の方が言うように,もし世界の途上国と先進国との格差を比べたら,その深刻さの度合いは違ってくるだろう。もちろん,どちらが大事で,どちらが大事でないかという話ではなく,自分がどんな思いや縁でその問題に出会うか。僕を突き動かす力は,ただそれだけだ。


 といっても,彼は同い年にして一つのビジョンを実現に持っている。一方で自分はどうか?
と自問すると,なんだか猛省しないわけにはいかない。


Do it! Do it! Go Ahead!! ということで走り始めましょう。





-追伸
この本は2011年4月出版。今まで斉藤の目に入ってこなかったこれが,このタイミングで
見られたのはなぜかは神のみぞしるですが,再びSFCが絡んでいました。
某大学時代の友人から生物系研究者のblogやら何やらのおすすめを受けて,
さまよっていたらTEDxKeioSFC(http://tedxkeiosfc.com/speaker.php#atsuyoshi_saisho
に行き着き,税所くんのトークを発見。スピーカー紹介でこの本が紹介されていたので,
Amazonで見たらkindle版があるというのでポチッとしたわけです。

生物から教育へ。世の中のつながりは分からないものですね。