2013/02/26

酢酸エチルの合成をした


反応後冷水に反応液を注いで上層(酢酸エチル)
と下層(水・エタノールなど)に分かれている様子
奥の実験台の縁と界面がほぼ重なっていて
見にくいですが…
先週で学年末考査も終わり,3月は卒業式や
高校入試なんかでばたばたして,何となく今年度の
授業はもう終わりだよねな雰囲気が漂う今日この頃。

2年生の化学1は,受験でも使わないし,
来年化学2もとらないという人たちが多かったり,
学年末考査の日程に合わせて教科書の中身を
進めていたこともあり,しばらく実験できずにいたりした
ので,残り何回あるかは謎ですが,実験づくしモードに。

高校卒業したら,実験とは縁遠い世界にいく子たち
だろうし,せっかくの機会なのでいろいろな実験を
自分たちの手でやらせてみてあげたいと思うのです。

あと,目の前で起こっている出来事を的確に
言語表現するトレーニングも兼ねています。
進路活動の中では何かと文を書くという作業は
多くなってくるし,的確に物事を説明できる力というのは,
社会に出てからも役立つはずだと斉藤は信じています。




昨日は,テルミット反応を行いました。テスト返し後の短時間で原理の簡単な説明と
実験の方法の説明,そして実験ということもあり,試薬の秤量は事前に済ませておいての
実施でした。



上の2枚の写真は,予備実験できれいに反応が起こったときの様子です。
反応容器として使ったろ試のしめらせ具合とか,テルミットの混ざり具合なのか,
若干生徒たちのは反応時間が短かったようです。
短い時間での反応ながらも,各々撮影した動画を見返したり,記憶をたどったりしながら,
時間を追って反応の様子を書いてくれました。


そして今日は,件の通り,酢酸エチルの合成を行いました。
酢酸:エタノール:濃硫酸=4:8:1の混合液を60℃程度の温浴で反応させました。
2~3分ほどで酢酸臭から酢酸エチルの臭い(セメダイン臭)になってきました。
冷水を入れた試験管に反応液を入れると,上層に酢酸エチルが分離し,
セメダイン臭も,反応液の状態のときよりも強く臭うようになりました。


予備実験で上層と下層に分かれたのを撮影してみましたが,どうもうまくとれませんでした。
じっくり見ると上層と下層に分かれているのが分かります。
(どうしたら分かり易く写真に撮れるのでしょうか…Photoshopで加工すれば何とかなりそうですが…)


有機系の実験を中心に,無機系の実験も時間の許す限りやっていきたいと思っています。

2013/02/11

第28回北海道マルチメディア理科教育研究協議会に参加してきた

先週の岡山に続き,今週末は立命館慶祥中学・高等学校で行われた,
第28回北海道マルチメディア理科教育研究協議会に参加してきました。
今年度で一番実践的でお勉強になった研修だったような気がします。

印象に強く残った実験を2つ挙げておきます。

「熱電対と温度差発電器」
電子の自由度の異なる金属を接続して一端を加熱すると,
電子の自由度の低い金属から高い金属に向かって自由電子が移動し,
電気自由度の高い金属から低い金属に向きの電流が検出できるというものです。

鉄,銅,ステンレス,真鍮の線をただねじってつなげたものの両端にテスターを
つなぎ,ねじった部分を加熱するだけで,確認できる(お手軽)!
ステンレスと銅の組み合わせが,7.4mVと一番大きかったです。

既製品の熱電対を使って,温度と起電力の関係を計測したりもしました。

K型熱電対(+がクロメル,-がアルメル)の温度と熱起電力の測定
「ポリ酢酸ビニルの合成」
 温浴の温度が70℃±3℃以内でないとうまくいかないと言われ,
一生懸命に温度調整しました。反応は始まるとどんどん進んでなかなか面白かったです。
最後は塩析してポリ酢酸ビニルの固形物を得るのですが,塩析もあっという間でした。
豆腐作りを中学校だったかでやったときのをことを思い出しました。

反応が始まった頃(やや青白い)



来年度以降も毎年行われるようなので,是非参加を続けたいと思います。

全国青年教職員学習交流会TANE! in 岡山に参加してきた。

岡山城(20130203撮影)
2/2-3(土・日)に岡山で行われた,全国の小中高の若手教員が集まって,
学習と交流をするというイベントに参加してきました。

行きは予定していた飛行機が飛ばなくなるわ,帰りは高速が途中で通行止めになって
猛吹雪の中を下道でえっちらおっちら走るわで,移動に大苦戦でした。
苦労して移動したのも報われるぐらいの収穫があったので,別にいいのですが…。

以下,分科会や講演会などを通じて考えたことなど。






「論理立てて考えさせるために」

富山県では,「とやま科学オリンピック」なるものが実施されているんだそうです。
小学生・中学生・高校生のそれぞれの部があるそうです。
小学生の問題でも,グラフの内容を正しく読み取ったり,自分の主張を相手に
理解させるために適切なグラフを提示するといったことが要求されています。
グラフの題材自体は小学生向けのとはいえ,大学入試とかでも要求されるような
レベルの力だと斉藤は感じました。

さて,「高等学校学習指導要領(平成21年3月公示)」(「新しい学習指導要領」)
の総則では,言語活動の充実について,第1章 総則において次のように書かれています。

第1款  教育課程編成の一般方針
1 (前略) 学校の教育活動を進めるに当たっては,各学校において,生徒に生きる力をはぐくむことを目指し,創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で,基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させ,これらを活用して課題を解決するために必要な思考力,判断力,表現力その他の能力をはぐくむとともに,主体的に学習に取り組む態度を養い,個性を生かす教育の充実に努めなければならない。その際,生徒の発達の段階を考慮して,生徒の言語活動を充実するとともに,家庭との連携を図りながら,生徒の学習習慣が確立するよう配慮しなければならない。

第5款 教育課程の編成・実施に当たって配慮すべき事項                      
  5 以上のほか,次の事項に配慮するものとする。
(1) 各教科・科目等の指導に当たっては,生徒の思考力,判断力,表現力等をはぐくむ観点から,基礎的・基本的な知識及び技能の活用を図る学習活動を重視するとともに,言語に対する関心や理解を深め,言語に関する能力の育成を図る上で必要な言語環境を整え,生徒の言語活動を充実すること。

言語活動といえば,国語をイメージしがちですが,各教科・科目の指導においても
取り組むべきものということですね。

 理科は,児童生徒の興味関心を高めるためにも,実験や実物を用いた授業展開が,
昔から研究されていて,様々な実験教材に関する研究会や研修が催されています。
ICT技術で世界が早く・近くなったり,便利な生活家電が普及したりして,
今の子どもたちの生活体験の質や量は,10数年前と大きく変化しています。
「味噌汁が吹きこぼれたらオレンジの火が出る」とか,「セッケンが使い古していくと
だんだん泡立ちにくくなる」とか,「プラモデル作り」とか...
そんな中では,「子どもの体験を増やさせる」ということは理科の実験・実習に課せられた
大きな役割なのではないかと考えています。

 ただ,これまでの理科の実験・実習の授業に斉藤が感じていた問題点として,
考察(考えたこと・分かったこと)という名ばかりの実験・実習のプリント。
結局その欄には,感想が書き込まれるに過ぎないことが,多いのではないかと。
(斉藤の経験的な主観ではありますが…。)
毎回の授業の中に言語活動を充実さていくことも必要でしょうけれど,
まず大きな所として,実験・実習の事後指導的な位置づけとして,
実験・実習のプリントの結果や考察を記述する部分について改良が必要だなと思います。

 「理論だてて考える」の分科会での実践報告では,
生徒に論理立てて考える力をつけるためには,「論理の破綻を的確に指摘する」ことと
「アウトプットによる点検の機会」を設けることが重要であると述べられていました。
また,教員が答えを持っていることではなく,教員も一緒に考えるような課題設定が
あると生徒も教員に答えを求めないし,教員も与えてしまわなくて良いという話も
出ていました。
これらは,斉藤自身がこの一年授業やってみて感じたことと一致しています。

 しかし,言語活動の充実も大事ではありますが,論理的に考えさせるためには,
「基礎的・基本的な知識及び技能」を習得していることは必要な条件となってきます。
新しい指導要領にも,基礎的・基本的な知識及び技能を定着させるということが
書かれています。これも,斉藤自身がこの一年授業をやってみて実感したことです。

 来年度は,論理的思考,ICTというのをキーフレーズにして授業作りをしていきたいな
と思う次第です。