2014/01/20

センター試験2014生物1第3問の解説+2015生物へ向けて

 センター生物と言えば鬼門は「遺伝」と6年前くらいには言われていましたが,ここ3年(H23~H25)の問題を見返すと,6年前と比べれば読み取りと組み合わせの検討に労力を要するものはなくなった印象です。これは,来年度からの新課程入試が意識されてのことなのでしょうか。
 というのも,「生物」(基礎とつかない生物)では,「生物1」のように遺伝で一つの章があるのではなく,「生殖と発生」の小節として取り扱われている上,
(2) 生殖と発生 ア有性生殖 (イ) 遺伝子と染色体
  遺伝子の連鎖と組換えについて理解すること。
(内容の取扱い
 組換えによって遺伝子の新しい組合せが生じることを扱うこと。ここでは,減数分裂から受精の過程を経て多様な遺伝的な組合せが生じることを理解させることが主なねらいである。
(イ) 遺伝子と染色体について
 ここでは,同じ染色体上にある二対以上の遺伝子の分配について扱い,連鎖と組換えについて理解させることがねらいである。
 そのため,減数分裂の際に染色体の乗換えによって遺伝子の組換えが起きること,組換えによって新たな連鎖が生じることを扱う。減数分裂の過程では,遺伝子の組換えと分配とが相俟って,極めて多様な遺伝的な組合せが生じることを取り上げることが考えられる。
(高等学校学習指導要領 理科 解説編 より抜粋)
というように,学習指導要領にも,「連鎖」と「組換え」を取り扱うように書かれています。
 ここ3年のセンター生物の第3問では,連鎖に関わるものか伴性遺伝に関わるものが必ず出題されている模様です。この流れは,今年も変わらず,第3問Aで複対立遺伝,第3問Bで伴性遺伝+連鎖が出題されました。
 来年度からの新課程センター試験「生物」では,この流れでいくと,ここ数年出題が続いているような「連鎖」,「組換え」の問題が出題されることも考えられます。(といっても,大問の半分程度でしょうが…。)

 教科書,学習指導要領での扱いは軽くなってしまいましたが,これまでやってきた遺伝の問題を解けるというのは最低限基礎知識として必要だよねと,大学の友人と先日話したばかりでもあるので,第3問の解説をしておこうと思います。あとの部分は教科書の内容を押さえられていれば簡単な知識問題や図表の読み取り考察問題だったとの分析が出されているので省略...
(前置きが長くなりましたが,以下解説です。)





第3問A(複対立遺伝)

まず,問題文で与えられた条件および,交雑の結果をまとめる。

ポイントは複対立遺伝子によるものなので,それぞれの葉の形質に対して一つのアルファベットを対応づけてあげること。決して,大小のアルファベットを当てはめたり,AA,Aa,aaの3つとして考えるとちんぷんかんぷんになる。
3つの交雑結果から,A>B>Cという優劣関係が分かる。これを踏まえて以下の問いを考えていく。


【問1】
アのF1(AB)とイのF1(BC)の交雑なので,それぞれから生じる配偶子を行列とした表を書くと以下のようになる。

この表から,「並葉:立田葉:柳葉=1:1:0」ということが分かる。
したがって,(3)…答えとなる。

【問2】
問1で得られたアサガオの遺伝子型は,AB,ACの2通り。それぞれが自家受精するので,問1と同様にして表を作成すると以下の様になる。

この表から,「並葉:立田葉:柳葉=6:1:1」ということが分かる。
したがって,(4)…答えとなる。


第3問B(伴性遺伝・連鎖・組換え)

Aと同様に,問題文で与えられた条件および,交雑の結果をまとめる。
ここで,ハエはヒトと同じように性決定様式が雄へテロのXY型であること,今回の遺伝子は全てX染色体上にのみ存在して,Y染色体上にはないことに注意する。すなわち,雌はペアで各対立遺伝子を持ち,雄は各対立遺伝子をペアでない形でもつ。




【問3】
F2の雌では,F1の雄のX染色体上にある各形質の優性遺伝子を必ず持つので,劣性形質を持った個体は生じえないため,個体の割合は0%。
したがって,(1)…答えとなる。




【問4】
G-Mの組換え価は,眼と翅色について注目したときに,優性ホモか劣性ホモになっていないものの数の総数に対する割合なので,

したがって,(2)…答えとなる。





【問5】
問4と同様にして,M-F間,G-F間についても組換え価を求めると,

となる。3遺伝子の連鎖なので,最も組換えかの大きいものを両端に置き,残りの一つを両端との距離がそれぞれに対する組換え価と対応するように配置すればよい。

この図から,M(m)-G(g)-F(f)の順であることが分かる。
したがって,(3)…答えとなる。






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