2014/01/02

センター2015化学<問題例>の解説でもしてみる

 問題数少なめなので勢いで化学もいっちゃいます。

【問1】 「化学:気体の性質」に関する問い

ドルトンの分圧の法則,理想気体の状態方程式を理解できていれば簡単に取り組み易い問題。

基本CHECK! 
「ドルトンの分圧の法則」は,分圧の和は全圧に等しい。
「気体の状態方程式」は,pV = nRT (p:圧力,V:体積,n:物質量,R:気体定数,T:温度)

さて,この問いでは,途中で化学変化が起こっているので反応の前後で分けて,状態を整理していく必要がある。また,反応後は化学反応式の計数と量的関係から,それぞれの物質量を求めて上げる必要ある。

問題文より反応前は,
 体積 10 L, 温度 300 K,
 メタン 0.20 mol, 酸素 0.80 mol

化学反応(完全燃焼=メタンが燃え切る)は,
 下図中の反応式(黒字部分,グレーはムシ)から,メタン0.20 molに対しては,酸素0.40 molがあればよく,反応後に酸素0.40 molが残ることが分かる。また,メタン(有機化合物)の燃焼なので,反応後には二酸化炭素と水が生成し,その物質量は二酸化炭素0.20 mol,水0.40 molであることが求められる。

故に反応後は,
 体積 10 L, 温度 300 K
 酸素 0.40 mol, 二酸化炭素 0.20 mol, 水 0.40 mol

と整理できる。イメージ図としてはこんな具合。(個数は0.1で1個にしている)

 さて,反応前におけるメタンの分圧(Pmet)は,気体の状態方程式に代入することで,
と求めることができます。
 また,反応前の酸素の分圧は,メタンと酸素の物質量比(1:4)から,20×10^4 Paと分かります。
(10^4は,10の4乗の意味,以下同様)
 よって,ドルトンの分圧の法則より,反応前の全圧は,25×10^4 Paとわかります。

 次に,反応の前後での全圧の変化について考えます。全圧は体積と温度が変化しないならば,容器中の気体の物質量に比例している。
 反応の前後で,容器内の全物質の物質量の和を求めると,

  反応前 メタン+酸素 = 0.20 + 0.80 = 1.0 mol
  反応後 酸素+二酸化炭素+水 = 0.40 + 0.20 + 0.40 = 1.0 mol

と変化していないことが分かる。したがって全圧も変化しないので,1倍。

以上より, (6)…答え となる。



【問2】 「化学基礎:酸と塩基,化学:電離平衡」に関する問題

 酸と塩基についての全般的な内容を問われている。「化学」の範囲としては,「電離平衡」の部分に相当する出題か。「化学基礎」「化学」にまたがっている分野なので,「化学基礎」の知識で十分解けるような基礎問題も出題されるということが示されている問題であろう。物理分野,化学分野は,基礎と基礎なしに共通している部分が多いので,基礎の教科書の内容もしっかりカバーしておかねばならないようだ(というかできてなきゃ基礎なしの部分ができないけど…)。

 正しいものを選ぶタイプなので,各選択肢を吟味していく。

 aについて。中和点のpHについての説明文。中和反応は教科書的な定義としては,「酸と塩基が互いの性質を打ち消し合う反応」なので,完全に中和が起これば,その溶液のpHは中性の7になると思いがちだが,そうではない。よって,この選択肢は誤り中和点のpHは反応に用いられる酸と塩基の組み合わせによって異なっており,かなり幅がある。そのため,中和滴定では反応させる酸塩基に応じて適切なpH指示薬を選ぶ必要がある。

 b,cについて。電離度が変化しないとすれば,水素イオン濃度は同じになり誤りな選択肢となるが,電離度は溶液の濃度や温度によって変化する。一般に濃度が小さく,温度が高い程大きくなる(今回は温度について言及がないので一定と考える。)。電離度が大きい方が水素イオン濃度も大きくなるので,溶液の濃度が小さい方が大きい方よりも,水素イオン濃度は大きくなる。したがって,bが誤りでcが正しい選択肢となる。

 dについて。水のイオン積についての説明文であり正しい

以上より, (6)…答え となる。 




【問3】 「化学:高分子化合物」に関する問題

 これまでは化学2の範囲であり,現役生にとっては個別入試に向けて過去問研究のなかでなんとかカバーしていたかなというところ。生物を合わせて履修している受験生には取り組みやすい問題だが,物理化学の組み合わせの受験生には辛い分野かもしれない。

 誤りを選ぶタイプなので,各選択肢を吟味していく。

 (1)について。正しい。酵素反応が起こるためには,酵素基質複合体が形成される必要があり,これが形成されるには,活性部位に結合しなければならない。

 (2)について。正しい。酵素は生体触媒ともよばれ,酸化マンガンや白金のような無機触媒と区別される。生体触媒は,タンパク質でできており,その立体構造が重要である。タンパク質は,熱や酸塩基に弱く,それらにさらされることで立体構造が崩れてしまう。これを変性という。

 (3)について。誤り。リン酸部分の3つのヒドロキシ基のうち,2つがリン酸エステル結合となっている(図中の赤丸)。
(4)について。正しい。タンパク質の分類のしかた。こういう分け方があるのだな程度に抑えておけばよいでしょう。
 (5)について。正しい。水溶性タンパク質のような親水コロイド溶液に多量の電解質を加えると,水和水が除かれてしまい,親水コロイドが沈殿する。この現象を塩析(塩(電解質)による析出ってことかな)とよぶ。

以上より, (3)…答え となる。 


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誤りなどありましたらお知らせください。



生物編もつくりました。「センター2015生物<問題例>の解説でもしてみる

斉藤がこれを作るきっかけになったkuwakoさんによる物理の解説はこちら。
どこよりも早く解説!センター試験2015<物理>の問題例

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